TL;DR
– ChatGPTを音声通訳アプリとして使用する際は、幾つかの事前設定が必要
– 「カスタムインストラクション」の内容が、スムーズな翻訳体験のキーポイント
– Voice Modeが時間制限で使用できない場合は、通常の音声入力で代替する
「ヤバい、英語わからない」をChatGPTで乗り切る
ChatGPTは、「日本語 ⇄ 日本語」「英語 ⇄ 英語」のように同一言語で会話が進行するため、通常は翻訳アプリとして使用することができません。
しかし、会話を始める前の事前設定1つで、「日本語 ⇄ 英語」をスムーズにこなす翻訳アプリにカスタマイズすることができます。
カスタムインストラクションを活用する
使用する設定は、「カスタムインストラクション」です。
これは、「ChatGPTにどう振る舞ってほしいか?」を、ユーザーが事前に決めておく機能です。「フレンドリーに」「関西弁で」のような内容にすると、回答のトーンが大きく変化します。
どんなインストラクション?
私は、ChatGPTを「翻訳家」にしたい時、以下のようなカスタムインストラクションを入力しています。ポイントは、具体例を示しながらChatGPTに分かりやすく説明することです。
これから、ユーザーの日本語を英語に、英語は日本語に翻訳してください。例えば、
ユーザー: あなたの名前は?
答え: What is your name?
ユーザー: Where is Tokyo Tower located?
答え: 東京タワーはどこにありますか?
のように回答してください。
注意
Web検索はしないでください。
翻訳内容以外の回答はしないでください。
カスタムインストラクションが便利な理由
Custom Instructions(カスタムインストラクション)を使用せずに、ChatGPTの翻訳性能を引き出したい場合は、Voice Modeを起動して、
「これから私が日本語で話したことは英語に、英語で話したことは日本語に翻訳してください。」
と言うだけでも、概ね期待通り動きます。ただ、この使い方は、
- インストラクションを毎回言う必要がある
- 具体例や注意事項を説明しないと、上手く翻訳しない可能性が高くなる
というデメリットがあるため、あまり実用的ではないと個人的には考えています。
Voice Mode + カスタムインストラクション の利点
また、Voice Modeとカスタムインストラクションは併用可能なので、音声翻訳用のインストラクションを事前に作成して保存しておけば、次回以降はVoice Modeを起動するだけで翻訳を開始することが可能です。
効率的、かつ精度の高い翻訳体験にしたい場合は、このカスタムインストラクションの使用をオススメします。
試してみよう
では、ChatGPTのカスタマイズから音声テストまで、一連の設定を進めていきます。
- 入力言語を「自動検出」に切り替える
- ChatGPTのカスタマイズ画面を開く
- インストラクションを入力して保存する
- テストする
1. 入力言語を「自動検出」に切り替える
まず、音声入力に使用する言語を「Auto-Detect(自動検出)」に切り替えます。
この設定が日本語になっていると、ChatGPTは英語も日本語として理解しようとするため、翻訳が上手くいかない可能性が高くなります。
設定方法
Androidの場合、アプリのSettings(設定)→ Voice(音声)の順に進み、Input Language(入力言語)をAuto-Detect(自動検出)に切り替えます。

入力言語を「自動検出」に
iOSの場合、アプリのSettings(設定)を開き、SPEECH(スピーチ)のMain Language(主な言語)を、Auto-Detect(自動検出)に切り替えます。

主な言語を「自動検出」に
2. ChatGPTのカスタマイズ画面を開く
ChatGPTの設定画面を開き、Personalization(パーソナライズ)→ ※Custom Instructions(カスタム指示)の順に進み、カスタマイズ画面を開きます。
※ iOSの場合、Customize ChatGPT(ChatGPTをカスタマイズする)に進み、カスタマイズ画面を開きます。
3. インストラクションを入力して保存する
画面にインストラクションを入力したら、「Enable for new chats(新しいチャットで有効にする)」をOnにして、内容を保存します。

保存を忘れずに
4. テストする
問題がなければ、Voice Modeを起動して「こんにちは」と入力すると、ChatGPTは「Hello」と回答します。
テスト例
- 「こんにちは」→ ChatGPT: Hello
- 「I’m looking for some souvenirs」→ ChatGPT: お土産を探しています
- 「このマグカップはどうですか?」→ ChatGPT: How about this mug?
- 「Sounds nice, how much is it?」→ ChatGPT: いいですね、いくらですか?
- 「2つで1580円です」→ ChatGPT: It’s 1580 yen for two.
- 「OK, I’ll take two」→ ChatGPT: わかりました、2つください
- 「お支払い方法はどうしますか?」→ ChatGPT: How would you like to pay?
注意点
Voice Modeの時間制限に注意
ChatGPTのVoice Modeは、1日毎に時間制限が設けられています。
私が試した限りですが、Advanced Voice Modeは無料ユーザーで10分程度、Plusユーザーでも1時間程度でリミットに到達し、その後はStandard Voice Modeに切り替わる仕組みとなっています。
通常の音声入力でも十分対応できる
Voice Modeの時間制限が気になる場合は、会話画面の右下にあるマイクアイコン(以下画像参照)で、通常の音声入力を使用します。

右下のマイクアイコン
まとめ
ChatGPTを音声翻訳アプリとして使用したい場合は、カスタムインストラクションを活用します。事前に入力して保存しておくだけで、日常や仕事のちょっとした場面に役立つ翻訳アプリとして使用することが可能です。
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