TL;DR
– Geminiを音声通訳アプリとして使用する際は、幾つかの事前設定が必要
– 「Gems」の活用が、スムーズな翻訳体験のキーポイント
– Gemini LiveはGemsと併用できないが、通常の音声入力で代替可能
「ヤバい、英語わからない」をGeminiで乗り切る
Geminiは、「日本語 ⇄ 日本語」「英語 ⇄ 英語」のように同一言語で会話が進行するため、通常は翻訳アプリとして使用することができません。
しかし、会話を始める前の事前設定1つで、「日本語 ⇄ 英語」をスムーズにこなす翻訳アプリにカスタマイズすることができます。
Gemsを活用する
使用するのは、用途に合わせたAIを作成する「Gems」という機能です。
この機能は、「Geminiにどう振舞ってほしいのか?」を記述した Instructions(カスタム指示)の中身が大事な要素になります。
「Translator」を生み出すインストラクションは?
「Translator」と名付けた私のGemsには、以下のようなカスタム指示を入力しています。具体例を示しながら分かりやすく説明することで、性能がガラリと変わります。
これから、ユーザーの日本語を英語に、英語は日本語に翻訳してください。例えば、
ユーザー: あなたの名前は?
答え: What is your name?
ユーザー: Where is Tokyo Tower located?
答え: 東京タワーはどこにありますか?
のように回答してください。
注意
Web検索、Google Workspace、Google Mapsは使用しないでください。
翻訳内容以外の回答はしないでください。
自分でカスタム指示を書く手間を省きたい場合は、自動生成機能も活用できます。雛形があると、Gems完成までの作業がある程度は楽になります。
Gemsが便利な理由
Gemsを使用せずにGeminiの翻訳性能を引き出したい場合は、Gemini Liveを起動して、
「これから私が日本語で話したことは英語に、英語で話したことは日本語に翻訳してください。」
と言うだけでも、概ね期待通り動きます。ただ、この使い方は、
- インストラクションを毎回言う必要がある
- 具体例や注意事項を説明しないと、上手く翻訳しない可能性が高くなる
というデメリットがあるため、あまり実用的ではないと個人的には考えています。
効率的、かつ精度の高い翻訳体験にしたい場合は、Gemsの使用をオススメします。
試してみよう
では、Gemsの作成から音声テストまで、一連の手順を試していきます。
- 言語を設定する
- Gems作成画面を開く
- Gemsを作成する
- テストする
1. 言語を設定する
Geminiアプリを開き、右上のアカウントアイコン → Settings(設定)→ Languages(言語)の順に進み、Main language(メインの言語) と Second language(第二言語)を設定します(日英の翻訳であれば、日本語と英語)。
この設定が日本語だけになっていると、Geminiは英語も日本語として理解しようとするため、翻訳が上手くいかない可能性が高くなります。
2. Gems作成画面を開く
GeminiのWebアプリにアクセスして、左サイドバーのGem Manager(Gem マネージャー)をクリックし、Gemsの作成画面を開きます。
モバイルアプリの場合は、アプリ起動 → 左上の吹き出しアイコン → Gems → Your Gems(作成したGem)→ You can create Gems on the web here(Gemはこちらからウェブで作成できます)の順に進み、Gemsの作成画面を開きます。
3. Gemsを作成する
Instructions(カスタム指示)の欄に、冒頭の内容を入力して、Save(更新)をタップします。

「カスタム指示」と「更新」
4. テストする
問題がなければ、作成したGemsを選択して「こんにちは」と入力すると、Geminiが「Hello」と回答します。
テスト例
- 「こんにちは」→ Gemini: Hello
- 「I’m looking for some souvenirs」→ Gemini: お土産を探しています
- 「このマグカップはどうですか?」→ Gemini: How about this mug?
- 「Sounds nice, how much is it?」→ Gemini いいですね、いくらですか?
- 「2つで1580円です」→ Gemini: It’s 1580 yen for two.
- 「OK, I’ll take two」→ Gemini: 分かりました、2つください
- 「お支払い方法はどうしますか?」→ Gemini: How would you like to pay?
Gemini Live + Gems ができないため、通常の音声入力方法を使用する
Gemsは、Gemini Liveとの併用ができません。そのため、音声入力は会話画面の右下にあるマイクアイコン(以下画像参照)を使用します。

右下のマイクアイコン
まとめ
Geminiを音声翻訳アプリにカスタマイズしたい場合は、Gemsを活用します。事前に作成しておくと、必要な時にいつでも繰り返し呼び出せるので、日常や仕事のちょっとした場面の助けになります。
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